アクアショップ×想定外×想定内(中編2)
中編2
カージナル熱帯魚センターに入る。
内心では敬礼している。
音源
カージナル熱帯魚センターでのできごと。
https://youtu.be/cF_iwL3c0EY
久しぶりのこの雰囲気、綺麗な水草水槽たちが私たちを迎えてくれた。水草の状態はよく、プレモスや、ブサがとても綺麗だった。私は今回、実はブセを狙っていた…大チャンスだ。陸上植物もあって、どれにしようか迷った。
迷った…おいおい…あれだけ意気込んでおきながら迷っているだと…ほしいもの買おうじゃないか。
と思いつつ、余裕を見せながら水槽の魚や、流木、石材を見ていた。
狙いではない、余裕だ…どうせ買っても空いてる水槽もないし、使い道もない、かっこいい石だ〜。
石を手に取って、感触を確かめる。触覚、視覚、嗅覚、全神経を使って石の声を感じとる。
あっ石がほしい。脳裏の片隅によぎってしまったのだ。
でも無理だ…値段が高ぇブセとかの方が今はほしいし、まだ群馬初店だ、ほかに買いたいものが出てくるかもしれない。財布の中を確認した。高え、すぐ無くなっちまう。
あれだけ栃木出発前に意気込んでいたにもかかわらず、そう、私はビビっていたのだ…
かじりつく気持ちをもう忘れ、なぜかお金という目に見えて無くなってしまうものに怯え、目に見えない気持ちの高ぶりや、好奇心が簡単に負けてしまったのだ。
アクアリウマーたるものここで引いてはダメだ。石を買った。万天石だ。最高だ。手に収まる最高のフィット感。次のレイコン用だと言い聞かせ、私のこの選択は間違えではないと思うようにした。また、先輩もいつか使う石を購入していた。これがアクアリウマーなのだ。あるあるだ。
帰ってからはこっそり机の下に隠した。他の種類の石に混ぜて。
結局、ブセは買わなかった、まだ店はある。よく吟味しようじゃないか、別にこれは妥協じゃない、気持ちの余裕の表れだ。
次はtrashへ向かう。少し車の中は会話がすくなかったことを覚えている。2人とも必死に冷静さを装っていた。途中コンビニに寄ったとき、群馬の冷たい風が頬を撫でた…自然と冷静になった。
昼飯は外食ではなく、コンビニの賞味期限が近くなって割引されたおにぎりだ。今後の生活に怯えていたのだ。
序盤から不穏な空気、まだまだいくぜ!